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設立趣意書

「社団法人京都犯罪被害者支援センター」設立趣意書
(現在「公益社団法人京都犯罪被害者支援センター」)

犯罪等により被害を受けた方及びその遺族(以下「被害者」という。)の支援については、イギリスやアメリカ等諸外国においてその重要性が指摘され、イギリスでは「VS(ヴィクティム・サポート)」等が、アメリカでは、「NOVA(ノヴァ)」等がそれぞれ活発な被害者支援活動を行っています。我が国においては、昭和56年、三菱重工ビル爆破事件等を契機として「犯罪被害者等給付金支給制度」が発足し、さらに「財団法人犯罪被害救援基金」が設立されるなど被害者支援の上で大きな制度創設が行われ、現在も被害者の経済的支援の大きな柱としてその役割を果たしています。

 しかし、被害者は実際の被害以上に重大な精神的被害を被っており、これは極めて深刻な問題であるにもかかわらず、我が国においては、これまでこの問題への十分な対応がなされてこなかったのが実情です。近年、地下鉄サリン事件等により、ようやく凶悪犯罪等の被害者の置かれた不当な状態に対する社会的関心が高まりを見せるようになりました。犯罪による精神的打撃が国民に広く認識されるようになり、その後遺症として「PTSD」(心的外傷後ストレス障害)という言葉が知られるようになったのは、記憶に新しいところです。

 このような流れの中で、国際的な潮流として叫ばれてきた被害者支援の必要性に目が向けられるようになり、平成8年に警察庁が被害者対策要綱を制定し、組織的な取組みが開始されたのをはじめ、民間においても、医療や心理療法等の専門家を中心に被害者の支援活動に取り組む組織が東京をはじめ各都道府県において相次いで設立され、被害者の精神的被害等の回復を支援するための様々な活動が始まっています。

 最近のこうした被害者を取り巻く情勢を踏まえ、京都府内においても、被害者支援を行う地域に根ざした民間組織を結成し、その支援基盤を確立できないものかと、京都府内在住の臨床心理学、法律学、福祉分野の専門家等が中心となって、被害者の置かれている実態とその支援策について討議を重ねました。その結果、

  • 被害者は、犯罪による直接的な被害だけでなく、精神的被害や経済的被害など様々な被害に対する救済や支援・援助を求めていること。
  • 被害者のサポートについては、公共機関だけではカバーできない部分も多く、現状では被害者のニーズに応じられる社会的なシステムの整備が十分とは言えないこと。
  • 被害者相談の受け皿として、多くの府県で民間被害者支援組織の設立の機運が急速に高まってきており、そのネットワーク化が強く求められていること。

などの点について認識が一致し、こうした社会的要請にこたえるため、京都府内においても被害者のための民間支援組織を早急に組織化する必要があるとの結論に達し、関係各位の理解と協力を得まして、平成10年5月27日、全国では8番目となる民間による被害者支援組織「京都犯罪被害者支援センター」(任意団体)を設立したところです。

 しかし、その後、司法関係機関をはじめ社会各層で被害者支援に関する種々の取組みが開始され、被害者をめぐる環境が大きく変化する中で、民間の被害者支援組織に期待される役割もまた多様に変化してきております。任意団体としてスタートした京都犯罪被害者支援センターがそうした被害者の期待にこたえ、更に充実、安定した活動を展開していくためには、その活動が社会的に認知され、被害者の方々がより安心して相談し、また、援助が受けられるような組織基盤を確立することが重要となってきました。

 そこで、こうした諸条件を整え、公益性の高い諸活動を推進していくため、この度、任意団体「京都犯罪被害者支援センター」を発展的に解散して、新たに、電話相談、面接相談その他の活動を通じて、被害者等が抱える悩みの解決及び被害者等の心のケア等を支援するとともに、社会全体が被害者等をサポートできる環境づくりに寄与することを目的とする「社団法人京都犯罪被害者支援センター」を設立し、平成10年7月に関係行政機関・団体により結成された「京都府犯罪被害者支援連絡協議会」との緊密な連携の下、被害者のニーズにこたえ、被害者の視点に立った諸活動を推進していくこととしたものです。

平成12年(2000年)4月

社団法人京都犯罪被害者支援センター 
設立発起人代表 大谷 實